本稿では、EXCEL初心者向けに基本的なVLOOKUP関数の使い方をご紹介します。
ExcelのVLOOKUP関数は、複数の表から一致するデータを検索して、表をうまいこと結合してくれる便利な機能です。
Excelの関数のレベルで言うと、中級レベルの範囲に入ります。
事務作業に苦手意識を感じている方にとって、EXCELの関数は少々ハードルが高いと感じられるかもしれませんが、一度覚えてしまうととても便利な関数です。
VLOOKUPとはいったい何なのか
VLOOKUP関数とは
=VLOOKUP(検索値, 検索範囲, 列番号, [検索方法])
VLOOKUP関数は、値を検索して、それに対応するデータを取得する関数です。
正しい読み方は「ブイルックアップ」です。
VLOOKUPという名前は「垂直方向に探す」ということを意味します。
- V = Vertical 「垂直」
- LOOKUP 「探す」
VLOOKUP関数が活かせる場面
(具体例)
- 商品番号に合致した品名と単価を別表から、見積書や納品書に転記する
- 社員名簿から、社員番号に合致した社員情報を検索し転記する
VLOOKUPを使うメリットは、手書きどころか「コピペも入力」せずに確実に情報を転記し、帳票を作れることです。
よくあるパターンとしては、作成したい帳票とは別に商品リストや社員名簿など、何らかのリストを別に持っておきます。
帳票とリストを別に作成することで、VLOOKUPを上手に活用することができます。
VLOOKUP関数の基本的な使い方
実際に、見積書の作成をしながら、VLOOKUP関数の具体的な使用方法を見ていきましょう。
今回は、「見積書」というシート上にある単価のセル(E17)に、「価格表」シートから「金額(税抜)」を反映させるVLOOKUP関数を組んでみます。
見積書に「価格表」から単価を反映させる
=VLOOKUP(B17,価格表!$A$2:$C$6,3,FALSE)
VLOOKUP関数は4つの引数から構成されています。
① 引数1:検索値
② 引数2:検索範囲
③ 引数3:列番号
④ 引数4:検索方法
セルに関数を入力する
引数1:検索値
=VLOOKUP(B17)
その名のとおり、検索する値を入力します。今回は、商品コードから「金額」が知りたいので、見積書の商品コードが入っている「B17」を指定します。
「B17のセルに入力された値を探しにいってほしい」という意味です。
※数式の中で、数字やセルではなく固定値(単語)を指定するときは、「””」で囲います。
引数2:検索範囲
=VLOOKUP(B17,価格表!$A$2:$C$6)
VLOOKUP関数では、検索値を検索するのは、必ず範囲の一番左端の列と決まっています。なので、今回、「111」を検索する「商品コード」のA列が範囲の左端にくるように、検索範囲を指定します。
「B17のセルに入力された値を、価格表のA2からB6の中から探してほしい」という意味です。
また、「金額(税抜)」の列も検索範囲の中に含まれている必要があります。基本的には、今回のように価格表をそのまま検索範囲に指定するとわかりやすいです。
VLOOKUP関数の検索範囲は絶対参照にするのがお勧めです。
絶対参照のやり方についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
引数3:列番号
=VLOOKUP(B17,価格表!$A$2:$C$6,3)
価格表の何列目のデータが欲しいのかを入力します。
価格表の1列目「商品コード」、2列目「商品名」、3列目「金額(税抜)」なので、今回は列番号には「3」と入力します。「B17のセルに入力された値を、価格表のA2からB6の中から探し、見つかったら、同じ行の3列目に入っている情報を反映してほしい」という意味です。
引数4:検索方法
=VLOOKUP(B17,価格表!$A$2:$C$6,3,FALSE)
ひとまず、ここは何も考えずに「FALSE」を入力しましょう。
本来であれば、
- FALSE:完全一致で検索をする場合
- TRUE:近似一致で検索する場合
という使い分けがあるのですが、ビジネスシーンでVLOOKUPを使用する場合の9割以上が完全一致です。
ですので、今は「引数4にはFALSEを入力する」と丸暗記してもらって大丈夫です。
VLOOKUP関数の出来上がり
注意するポイント
VLOOKUP関数を使うときの注意点がいくつかあります。
「検索値」の列は、必ず範囲のなかで一番左端にくる必要があります。今回の例では、商品コードが一番左側になるようにします。価格表の「商品コード」よりも左側に列を追加した場合、VLOOKUP関数には反映されません。
もしも「価格表」のなかに全く同じ商品コードが2つ以上あるとき、上から1つ目の商品コードにだけ対応します。
2つ目以降は無視されるため、同じ商品コードを2つ以上設定しないよう、注意が必要です。
もしも表のなかに商品コード「110」が存在しない場合は、エラー「#N/A」となります。
N/Aは「該当なし(not applicable)」または「利用できない(not available)」を意味します。
数字の全角・半角が一致しない場合も「#N/A」と表示されるので、文字や数字の全角・半角にも気を付けましょう。
VLOOKUP関数のまとめ
VLOOKUP関数は、垂直方向に値を検索して、それに対応するデータを取得する関数です。
【構文】VLOOKUP(検索値, 検索範囲, 列番号, [検索方法])
VLOOKUP関数を使う上で、以下の3つのポイントに気を付けましょう。
- 「検索値」の列は、必ず範囲のなかで一番左端にくる必要があります。
- 「検索範囲」の中に「検索値」が2つ以上ある場合、2つ目以降は無視される仕様のため注意が必要です。
- 「検索範囲」の中に「検索地」が見つからない場合は「#N/A」というエラーが表示されます。
EXCEL初心者の方は、ぜひ、この記事を見ながら実際の業務の中にVLOOKUP関数を取り入れてみてください。