本稿では、EXCELの実務でよく使う「ユニーク」という言葉の意味と、その活用方法についてお伝えします。
EXCELでデータの集計や分析の実務を行うときには、「ユニーク」という言葉はたびたび使われます。
VLOOKUP関数の活用に「ユニーク」が必要な理由や、COUNTIF関数を使った「ユニーク」の確認方法も併せてご紹介します。
EXCELの「ユニーク」って何？
「ユニーク」の意味
EXCELの実務では、よく「ユニークな番号」とか「ユニークなID」と言う言葉が使われます。
ここでユニーク（unique）とは「一意の、唯一の」と言う意味です。「重複するものがない」と言い換えることもできます。
ユニークの例：社員番号
例えば、社員番号は、一つの番号に一人の社員しか該当しないものです。
入社後に苗字が変わったり、引越しして住所が変更になることはあっても、社員番号だけはめったに変更になりません。
また、基本的に「斎藤さんはもう退職していないから、来月入社予定の小原さんには、社員番号『0003』を使いまわそう」ということはしません。
社員番号は常に１：１対応にし、新しく入った社員には過去に使われたことのない新しい番号を振ります。
このように、「一意の」番号をEXCEL実務では「ユニーク」と呼んでいます。
EXCELのデータベースや関数を扱う上で、この概念は非常に重要です。
VLOOKUP関数は重複を見逃す
EXCELのVLOOKUP関数は実務で非常に良く使います。
VLOOKUP関数を使う時に、注意しなければならないのが、検索値の重複です。「同じ列に同じ値が2個以上ある」場合、2つ目の値は返ってこない性質があります。
重複の例：価格表の「商品コード」
例えば、見積書を作るときに「価格表」のなかに全く同じ商品コードが２つ以上ある場合には、上から１つ目の商品コードにだけ対応し、２つ目以降は無視されます。こののため、VLOOKUP関数を使う場合は、事前準備の段階で価格表（マスター）を作るときに同じ商品コードを２つ以上設定しないよう注意が必要です。
事前にデータの重複（ユニークかどうか）を確認する：COUNTIF関数
VLOOKUP関数のこの性質(仕様）を回避するには、この関数を設定する前に予め検索対象となる「列」がユニークかどうかを確認しておく必要があります。
今回取り上げた見積書の例のように、表が短いときは見た目に判断できますが、価格表のデータ数十件、数百件とレコードが羅列されている場合はCOUNTIF関数を使い「ユニークかどうか」確認するのがお勧めです。
【構文】COUNTIF(検索範囲:検索値)
「指定した検索範囲の中に、検索値がいくつ入っているか数える」という意味の関数です。
COUNTIF関数は後からオートフィルでコピーするため、検索範囲は絶対参照にします。
絶対参照のやり方についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
COUNTIF関数を入力する
COUNTIF関数を入力するための列（欄）を追加する。
COUNTIF関数を入力、コピーする
＝COUNTIF($A$2:$A$13,A2)
セル【D2】に上記の関数を入力する。検索範囲は必ず「絶対参照」にしておく。
オートフィルを使い、「重複チェック」欄の一番下までセル【D2】に入力した関数をコピーする。
商品コードの重複を確認する
検索範囲（A2からA13まで）の中に、同一の商品コードがいくつ入っているかという値を返しています。
COUNTIF関数が2以上の場合は、検索範囲（A2からA13まで）に商品コードの重複が存在します。
EXCELの「ユニーク」まとめ
- ユニーク（unique）とは「一意の、唯一の」と言う意味です。実務では、社員番号や商品コードなどをユニークとして取り扱うことが多いです。
- Excelで使い勝手の良いVLOOKUP関数は、多くのデータの中からピンポイントで検索した値に対応する値を返してくれます。ただ、検索範囲に同じ値が２つ以上存在する場合は１つ目の値しか返してくれません。その性質を抑えて正しく使うためには、事前に「ユニークかどうか」の確認をしておく必要があります。
- 重複がないか確認する手段として、COUNTIF関数を使って調べる方法があります。
EXCELでデータの集計や分析の実務を行うときには、「ユニーク」という言葉はたびたび使われます。
この機会に「ユニーク」の概念を覚えておきましょう。
