【フリーランス】マネーフォワード確定申告を1年間使ってみた感想

フリーランスにとって、1年最後の総まとめが確定申告です。
本稿では、2021年の確定申告を乗り越えた会計ソフト『マネーフォワード確定申告』を1年間使った感想をシェアいたします。

会計ソフト3強が『freee』『マネーフォワード確定申告』『やよいの青色申告オンライン』と言われており、わたしはその中で最初から『マネーフォワード確定申告』を使用しています。

お世話になっている税理士さんのご意見を伺ったり、クライアントワークで『freee』を使わせてもらう中で、フリーランスには『マネーフォワード確定申告』が最適解だというのがわたしの意見です。

目次

この記事を書いている人のスペック

この記事を書いている人はどんな人か、経理のスキルをメインにお伝えします。

  • 新卒1年目で簿記2級取得済み
  • 事務経験14年目、オンライン事務代行2年目(2021年01月開業)
  • 会社員+副業で確定申告を1回経験済み
  • 大学職員として財務の経験2年間、キャンパスで支払伝票の起票3年間
  • 株式会社での経理経験はなし
  • マネーフォワードME』で家計簿を管理をしている
  • ITパスポートを取得しており、新しいソフトウエアに抵抗がない

ちなみに、基礎的な簿記の知識(簿記3級程度)をお持ちでない方には、『マネーフォワード確定申告』よりも、『freee』が推奨されています。

マネーフォワード確定申告とは?

マネーフォワード確定申告』は、クラウド型の会計ソフト「マネーフォワードクラウド」の確定申告の機能です。
クラウド型とはインターネット上にソフトが用意されていて、パソコン上にソフトウエアをインストールする必要がないアプリケーションの形態です。

※『マネーフォワード確定申告』は個人事業主や副業の向けのサービスで、白色申告と青色申告の両方に対応しています。
マネーフォワード確定申告は、WndowsやMacの両方のOSに対応しています。

マネーフォワード確定申告|おすすめの理由

おすすめの理由①:金融機関とデータ連携して、仕訳を自動生成できる

クレジットカード、銀行口座、主要な通販サイト(Amazonや楽天市場など)での入出金の動きをすべてデータ連携で取り込むことができます。

現金支出以外の仕訳をゼロから入力する必要がないというのは大きなメリットだと感じます。

オンライン事務代行の場合、会議費(カフェ代)や交際費(贈答品の購入)くらいしか現金の支出がないため、ほぼデータ連携だけで仕訳帳の作成をすることができます。

おすすめの理由②:マネーフォワード請求書から仕訳を自動生成できる

マネーフォワード請求書で請求書を発行した後に、データ連携で売掛金の仕訳をほぼ自動で作成することができます。
売上の多くを「月末締め、翌月末払い」の契約に基づいて請求しているため、月初に請求書を発行後に、データ連携からまとめて売掛金の仕訳を作成しています。

おすすめの理由③:補助科目で売掛金を管理できる

勘定科目マスタで、補助科目に取引先名を入れています。
最初にそのような設定をしておくと、推移表や補助元帳から未回収の売掛金を確認できるのも便利です。

【参考】わたしの場合が行っている初期登録

① 業務委託契約を締結する(別システムを採用)
② マネーフォワード請求書に取引先情報を登録する
マネーフォワード確定申告の補助科目に取引先名を登録する

オンライン事務代行の契約は「月末締め、翌月末払い」の支払サイトで売上計上をしています。そのため、予め補助科目に取引先を入れておくと、補助元帳で売掛金の管理をすることができます。

※ちなみに、『freee』の場合は勘定科目の下位に補助科目の設定ができません。

おすすめの理由④:メール問い合わせ窓口の応対が適切

マネーフォワード確定申告を使い始めてから、補助科目の設定方法やマネーフォワードMEとのデータ連携のことなど、何度もメールで問い合わせをしています。
このメールサポートでの対応が適切なので、いつも大変助かっています。

わたしの場合は、google検索で自分なりに『マネーフォワード確定申告』の操作方法や設定方法を調べています。

一般論だけでは解決しない実際の運用上での問題点やデータ連携で不都合な事象などを、詳細にメール問い合わせをしています。

その結果として、感じているメールサポートの印象は以下のとおりです。

  • システム的にできることとできないことを明確に回答してもらえる
  • 最終的に的外れな回答のまま終わったことが一度もない
  • 納得するまで、何度でも質問に答えてもらえる
  • レスポンスが早い(翌日か、遅くとも翌々日には回答してもらえる)
  • こちらの運用状況を理解した上で、各機能の仕様や使い方についてアドバイスをもらえる

※当然のことながら、「この勘定科目が適切でしょうか?」といった、会計処理そのものに関する問い合わせには対応していませんのでご留意下さい。

マネーフォワード確定申告|使いづらい点

使いづらい点①:家計簿アプリ「マネーフォワードME」とのデータ連携がイマイチ

データ連携の機能としては、マネーフォワードMEで事業経費として登録した支出・収入をマネーフォワード確定申告に取り込むことが可能です。

しかしながら、わたしはマネーフォワードMEから事業経費を取り込む運用はしていません。
その理由は、以下の2点です。

理由①:事業経費は一括取り込みすると、過去のデータが上書きされる

実際に、2~3回、マネーフォワードMEに登録した事業経費をマネーフォワード確定申告に取り込んでみました。

ところが、過去に取り込んだ仕訳が上書きされる仕様のため、既に取り込んだ仕訳を修正していた場合には、すべてやり直ししなければなりません。

一括取り込みするメリットよりも、過去に取り込んだ仕訳を上書きされ、それを修正しなおす作業負担の方が大きいと感じます。

理由②:マネーフォワードMEで事業経費と家計簿の分類を区別できない

マネーフォワードMEに登録した家計簿の科目に準じて仕訳が生成される仕組みです。

例えば、クライアント訪問用に購入した手土産代を家計簿(マネーフォワードME)でプレゼント代(交際費)に登録します。

確定申告のチェックをオンにしておけば、確定申告のときに事業経費として「マネーフォワード確定申告」に仕訳として取り込みが可能です。

ただし、この場合ではマネーフォワードME上でプライベートの支出と事業経費が混在してしまうデメリットがあります。

一方、マネーフォワードME側で、「事業経費」という科目を使用すれば、プライベートの支出と事業経費をを切り分けて管理することが可能になります。

ところが、この運用にした場合、事業経費のデータ連携時にマネーフォワード確定申告が自動的に勘定科目を識別して仕訳を作成します。

このため、確定申告のタイミングでデータ連携を実行したときに、自分が思っていたのと違う仕訳が大量に発生してしまいました。

上記①②の2つの条件があると、日次や月次でのデータ連携は、運用が難しいと感じました。
ただ、確定申告に向けて、年末にまとめて一括で事業経費を取り込みする運用なら、マネーフォワードMEから事業経費を取り込むので問題ないと考えます。

使いづらい点②:売掛金の実現仕訳が重複する

おすすめする理由②の「請求書機能との連携」に関して、1点マイナス評価も付け加えておきます。

マネーフォワード請求書から、自動入力で請求データを仕訳に取り込んだ際に、「実現仕訳」がセットで生成されます。

ところが、実際に、翌月末時点で取引先から銀行入金があった時にも、「普通預金/売掛金」の仕訳が自動生成されます。こちらは、銀行口座とのデータ連携によるものです。

そのままにしておくと普通預金の仕訳が二重登録になってしまうことが分かり、以降は、マネーフォワード請求書の請求データを自動入力した際には、「実現仕訳」の方を手作業で削除する運用をしています。

銀行口座との連携をしていなければ、「実現仕訳」があったほうが良いのですが、事業用の銀行口座とマネーフォワード請求書の両方からデータ連携している場合には、おせっかいな機能になることを付け加えておきます。

マネーフォワード確定申告の料金プラン

個人向け料金プラン(2022年08月現在)

2022年08月現在、『マネーフォワード確定申告』の料金プランは以下のとおりです。

おすすめの料金プラン

わたしは『パーソナル』プランを使っています。理由としては、

  • マネーフォワード請求書の取引先登録数の上限がないこと(パーソナルミニは15件まで)
  • レポート機能が制限なく使用できること

が挙げられます。

機能の制限がない状態で使用したいけれども、電話でのサポートは必要がないという状況です。
その結果、おすすめの「パーソナル」プランに落ち着きました。

ちなみに、わたしは法人成りするまで、会計ソフトは『マネーフォワード確定申告』を使おうと決めています。
固定費を抑えるために、2022年04月から年額プランに移行しました。
※年額プラン: 11,760 円(月額980円)

まとめ

わたしが『マネーフォワード確定申告』をお勧めする理由は以下のとおりです。

  • 金融機関とデータ連携して、仕訳を自動生成できる
  • 請求書機能から仕訳を自動生成できる
  • 補助科目で売掛金を管理できる
  • メール問い合わせ窓口の応対が◎

わたしが『マネーフォワード確定申告』の使いづらいと感じる点は以下のとおりです。

  • 家計簿から事業経費だけを取り出して仕訳を作るのは難しい
  • 売上の入金時に仕訳が二重登録になってしまう

マネーフォワード確定申告に限らず、クラウド型システム全般に言えることですが、クラウド型のソフトウエアは最大公約数を目指して作られているので、個人のニーズを100%満たすものは存在しないと考えています。

「完璧」は求めないものの、一方で「みんなが使っているから」という理由だけで、安易に会計ソフトを選ばず、自分の経験や知識、事業形態に合った会計ソフトを選んでほしいとも思います。

簿記3級程度の知識がある人は、ぜひ『マネーフォワード確定申告』を検討してみてください。


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この記事を書いた人

オンライン事務代行「ひらく」代表の藤根理香です。大学、保育園、人材派遣会社等、事務歴は14年目。クライアントが自分のなすべき仕事に集中し、本来もっている力を発揮できるようサポートいたします。

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